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【さかな輸入大国日本】日本の 水産物輸入 の現状とは?

日本の 水産物輸入 の現状とは?

 

うぉーらる

当ブログにお越しいただきありがとうございます!
管理人のうぉーらるです。

皆さまはスーパーでさかなを購入する際に、そのさかなの原産地に注目したことはありますか?
スーパーによるとは思いますが、人気のマグロやサーモン、大学生定番のたこ焼きで使うタコなど、よく手に取るものは外国産であることが多いと感じています。

また、外国産といっても、お肉のようにアメリカ産とオーストラリア産が圧倒的に多いというわけではなく、さまざまな国からそれぞれのさかなが輸入されています。

このように原産地が多くの国であふれているのは、スーパーで売られている食品の中でもさかなだけの特徴なのではないかと思います。

そこで今回は、さかなの輸入について説明していきたいと思います!

 

 

日本のさかな輸入の現状は?

 

うぉーらる

まずはさかなの輸入の現状についてご紹介します!

最新(2019年)の水産物輸入総額は1兆7404億円でした。
この金額について、参考元の事情により少し古い2017年のデータでの比較になりますが、日本はEU(28か国)、アメリカに次ぐ第3位の輸入額となっています。
(参考:水産庁 (3)世界の水産貿易

それでは、次のグラフをご覧ください。

 

水産庁 水産物貿易の動向に添付されたデータをもとに筆者が作成

 

このグラフは日本がさかなを多く輸入している(輸入額が高い)国・地域を示しています。

上位5か国を見ると、中国や米国は想像がつきますが、チリやロシア、ベトナムはいまいちピンとこないという方が居られると思います。

これについては次のチャプターでご説明します。

 

うぉーらる

続いて、こちらのグラフをご覧ください。

 

水産庁 水産物貿易の動向に添付されたデータをもとに筆者が作成

このグラフは日本が多く輸入している(輸入額が高い)さかなの種類を示しています。

最近のサーモンブームもあって、サケ・マス類がカツオ・マグロ類を抜いて1位となっています。

このグラフに示されている輸入の多いさかなと先ほどお見せした国・地域とは、当然といえば当然なのですが関係があります。
 

うぉーらる

次に輸入の多いさかなと国・地域との関係性について説明していきます。

 

輸入上位のさかなはどこの国・地域から輸入している?

 

うぉーらる

それでは、前チャプターでお見せした輸入品目のグラフに記載されているさかなについて詳しく見ていきたいと思います。

 

1位 サケ・マス類

1位はサケ・マス類です。

サケ・マス類とありますが、より分かりやすく言えばサーモンですね!

マルハニチロ「回転寿司に関する消費者実態調査 2021」によると、回転寿司店でよく食べるネタランキングでサーモンが10年連続1位だそうで、ここからも最近のサーモンブームがうかがえます。

サーモンの需要が高くなればその分輸入量が増加するのも納得できます。

では、このサーモンブームを担っている国はどこなのでしょうか?

次のグラフをご覧ください。

水産庁 水産物貿易の動向に添付されたデータをもとに筆者が作成

一目見れば分かりますね!
そうです!チリが6割を占めて圧倒的トップの輸入相手国となっています。

これを見れば先にお見せした輸入相手国・地域内訳でチリが2位となっている理由が分かりますね。

チリには「サーモン養殖に適した場所が多くある」「自然状況が適している」「飼料の原料である魚粉や魚油が大量かつ容易に入手できる」というサーモン養殖を行う上での利点が多くあります。
その利点に目を付け、サーモン養殖の技術を伝承したのはなんと日本だそうです!
(参考:マルハニチロ サケの養殖事業

現在私たちが安くサーモンを食べることができているのは、当時チリに目を付けた日本人たちのおかげといえます。
 

2位 カツオ・マグロ類

2位はカツオ・マグロ類です。

財務省の出す貿易統計によると、2016年まではカツオ・マグロ類が輸入額の1位だったのですが、サーモンブームに押し負け、2017年から2位となりました。

また、資源量の減少も2位となった理由として挙げられると思います。

では、次のグラフをご覧ください。

水産庁 水産物貿易の動向に添付されたデータをもとに筆者が作成

カツオ・マグロ類の輸入相手国1位は台湾となっています。

台湾の屏東県に東港という台湾で最も有名なマグロ水揚げ港があり、世界屈指のクロマグロ漁獲量を誇っています。
その一部が日本に輸出されています。
(参考:みんなの台湾修学旅行ナビ 東港魚市場
 

私が注目するのは3位のマルタ共和国です。

マルタ共和国はイタリア半島の南にある小さな島国で、暖かい海に囲まれているため、養殖に適した環境となっています。
その環境を利用して、特にクロマグロの養殖が盛んに行われています。
そして、そこで獲れたクロマグロの大半が日本に輸出されているようです。
(参考:Gyoppy! マルタ産のマグロは高品質と評判。知られざるヨーロッパで一番のマグロ生産国
 

3位 エビ(エビ調製品)

3位はエビ(エビ調製品)です。

私たちがよくスーパーで目にするのは「ブラックタイガー」か「バナメイエビ」が多いと思います。
おそらくそのほとんどが外国産であると思います。

では、次のグラフをご覧ください。

水産庁 水産物貿易の動向に添付されたデータをもとに筆者が作成

このグラフを見ると、ベトナムやインドネシア、タイといった東南アジアの国が多いことが分かります。

これらの国はブラックタイガーやバナメイエビの養殖に向いているマングローブ林マングローブの生える汽水域がエビの生育に適しているためが多く、昔からエビの養殖が行われてきました。
そこに目を付けた日本が技術を伝授し、エビの生産効率を向上させることで大量生産を可能にして、日本への輸出を促進したという歴史があります。
(参考:誰のための養殖か~インドネシアで考えるエビ養殖と日本のあり方~

したがって、今でも多くのエビが日本に向けて輸出されています。
 

4位 カニ

4位はカニです。

カニの定番といえば私はまずズワイガニが思い浮かびます。
いざズワイガニを食べようと思うと、国産はあまりに高すぎるので、それよりも手ごろな価格の外国産を購入される方が多いのではないでしょうか?

では、次のグラフをご覧ください。

水産庁 水産物貿易の動向に添付されたデータをもとに筆者が作成

このグラフを見ると、カニの輸入相手国1位は全体の6割を占めるロシアであることが分かります。
確かに外国産のズワイガニにはロシア産と書かれていることが多いと気がします。
(グラフにはズワイガニとは明記されていないため断言はできませんが…笑)

主にベーリング海でカニ漁が行われており、このカニ漁は世界一過酷な漁と言われているようです。
YouTubeにその映像が公開されていますので、気になる方はぜひご覧ください。

 

5位 イカ

5位はイカです。

かつてイカの消費量が世界1位だった日本ですが、2016年では世界4位まで落ちているようです。
これは、日本人の魚離れや、特にスルメイカの漁獲量が減少していることが原因として挙げられます。
(参考:Yahoo!ニュース 魚離れ、「いか」を食べなくなった日本人。その理由は・・・」

後者について、日本でのスルメイカの漁獲量が減少しているため、その分を補うためにイカの輸入が増加しているようです。

では、次のグラフをご覧ください。

水産庁 水産物貿易の動向に添付されたデータをもとに筆者が作成

イカの輸入相手国1位は中国となっています。

中国でのイカ漁について、イカの好漁場がある日本の排他的経済水域内まで侵入してイカを乱獲する違法イカ漁船が急増しているとのニュースをよく見かけます。

日本のイカ漁関係者の方々のためにもこの問題は早急に解決していただきたいです。

しかし、その国から大量にイカを輸入している日本。

なんとも複雑な気持ちになりますね…😓
 

6位 タラ類

6位はタラ類です。

日本においてタラ類とは、マダラ・スケトウダラ・コマイのことをいいます。
他2種類は知っているがコマイという魚を初めて聞いた方も居られると思うのですが、ここでは説明を省略して、写真付きで紹介しているサイトのリンクを張っておきます。
 

 

では、次のグラフをご覧ください。

水産庁 水産物貿易の動向に添付されたデータをもとに筆者が作成

このグラフによると、米国(アメリカ)が全体の8割を占める圧倒的トップの輸入相手国であることが分かります。

アメリカで漁獲されるタラの多くは「タイセイヨウタダラ」という日本とは異なる種類です。

世界的にみてタラは重要食料資源として位置づけられてきました。
特にアメリカでは、古くからタラとの関係性が深く、歴史を語る上では欠かせない存在のようです。

漁獲量は1970年~1980年代は1000万~1200万トン台(魚類総漁獲量の14~18%)で推移していましたが、過剰な漁獲が原因となって、2000年~2008年では700万~900万トンまでに減少しました。

実際に、北アメリカ大陸の東海岸にある「グランドバンク」と呼ばれるタラの好漁場において、過剰な漁獲によってタラが激減し、タラ漁業が崩壊したという例があります。

現在は、適切な資源管理によって徐々にタラの資源量が回復してきているようですが、先ほど紹介したグランドバンクではいまだにタラ漁は行われていないようです。

獲りすぎダメ絶対!🙅

(参考:Japanknowledge タラアメリカ植民史とタラumito. 魚の撮りすぎで4万人以上が失業した東カナダの話

 

うぉーらる

さかな別輸入国ランキングからそれぞれの輸入国の代表的なさかなを知ることができるのは面白いですね!😄

 

最後に

 

うぉーらる

ここまでお読みいただきありがとうございました!

日本のさかな輸入事情についてご理解いただけましたでしょうか?

次にスーパーに行った際にはさかなの原産地に目を向けてみると何か面白い発見があるかもしれません。

ところで、農林水産省によると、日本の魚介類の食品自給率(生産額ベース)は49%であるようです。
つまり、日本で流通している魚介類の半分は外国からの輸入に頼っているということになります。

輸入が悪いとは全く思っていないのですが、かつてさかな大国と言われていた日本がこのような状態にあるのは果たして良いのだろうかと私は考えています。

持続可能な漁業を行う」「養殖業を発展させる」「未利用魚を利用する」など食品自給率を上げるためにできることはたくさん考えられます。
特に「未利用魚を利用する」などは私たち消費者でも実践できることです。
(未利用魚:形が不揃いであるなどの理由から、非食用に回されたり低い価格で評価されたりする魚のこと。)

綺麗ごとにはなりますが、食品自給率を上げるためには、漁業関係者だけではなく国民1人1人の意識・取り組みが大切であると私は考えています。
そして、それを実践するためにはやはり「魚について学ぶ」ことが大切なのではないでしょうか?

その際にはぜひ当ブログをご利用ください!👍
 

それではまた次回のブログでお会いしましょう!

お疲れさまでした~😄

 

2022.05.26 うぉーらる