【日本一の漁港とは?】日本の漁港 水揚げ高ランキング (最新版)
日本の漁港水揚げ量ランキングTOP5(2021年)
まずは水揚げ量ランキングからご説明していきます!
1位 銚子漁港
1位は千葉県にある銚子漁港です。
水揚げ量は28万309トンです。
銚子港と言えばイワシで有名であり、実際にこの水揚げ量の6割ほどがイワシとなっています。
なんと銚子漁港は水揚げ量ランキング11年連続の1位となっているそうです!?
ここまで水揚げ量が豊富である理由としては、銚子の沖合で親潮と黒潮がぶつかることで餌となるプランクトンが豊富にある、また、利根川から豊富な養分を含んだ水が流れ込んでくる、ということが挙げられています。
(参考:東京新聞 銚子漁港水揚げ量日本一、ちばらぎ ちばらぎの歴史 ブラタモリレビュー-銚子-~銚子はなぜ日本一の漁港になった?~)
2位 釧路漁港
2位は北海道にある釧路漁港です。
水揚げ量は20万3887トンです。
道内では当然ながら水揚げ量1位であり、特にイワシとスケトウダラが多く水揚げされています。
過去には13年連続で日本一の水揚げ量を記録し続けたこともあったようですが、200海里水域を設定されたことによる北洋での漁業規制やマイワシの不漁などが原因で、順位を落とすこととなったようです。
現在では、シシャモやハタハタ、ウニなどの増殖・養殖漁業に力を入れて取り組んでいるそうです。
(参考:釧路市 水産業の歴史、北海道ラボ 水揚げ量北海道1位!港町釧路で買いたい魚介とそのシーズン)
3位 焼津漁港
3位は静岡県にある焼津漁港です。
水揚げ量は14万9272トンです。
焼津漁港は、
・遠洋漁業の基地となっていてカツオやマグロが多く水揚げされる「焼津地区」
・沿岸漁業や沖合漁業の基地となっていてサバやアジが多く水揚げされる「小川地区」
の主に2つの地区に分かれて操業しているという特徴があります。
特に焼津地区での冷凍のカツオやマグロが有名となっています。
(参考:焼津漁港管理事務所 焼津漁港Q&A)
4位 長崎漁港
4位は長崎県にある長崎漁港です。
水揚げ量は9万9541トンです。
長崎県の沖合の海域は、九州西方を北上する対馬暖流のほか、韓国のチェジュ島方面からの黄海冷水や九州からの沿岸水が流入しており、多くの島々や複雑な海底地形によって好漁場が形成されています。
この好漁場は近くにあるおかげで、長崎県は日本で一番多くの種類(300種類以上)を漁獲できる県と言われているようです。
また、農林水産省が発表した2019年の魚種別漁獲量統計によると、長崎県はアジ類やサバ類、ブリ類、イサキ、マダイ、クロマグロといった、日本において有名どころの魚の水揚げ量が日本一となっています。
これらの魚は主に長崎漁港に集積されるため、結果として高い水揚げ量を誇っていると考えられます。
(参考:長崎県漁業協同組合連合会 漁業生産量)
5位 石巻漁港
5位は宮城県にある石巻漁港です。
水揚げ量は9万8342トンです。
石巻は、親潮と黒潮がぶつかる潮目が位置することによって世界三大漁場のうちの1つとされる三陸・金華山沖漁場にほど近く、豊富な魚の水揚げが行われています。
また、リアス式海岸によって形成された穏やかな入り江が広がる石巻沿岸は、山林から森の栄養が流れ込むので、プランクトン豊富な養殖漁場となっており、カキやホタテ、ギンザケの養殖が盛んに行われています。
石巻漁港にはこれらの豊富な水産資源が集められるため、高い水揚げ量を誇っているようです。
(参考:石巻食品輸出振興協議会 豊富な魚種)
(6位 境港漁港)
※2020年が5位だったため紹介文があるので、2021年は6位でしたがご紹介いたします。
6位は鳥取県にある境港漁港です。
水揚げ量は9万3729トンです。
巻き網漁業によるアジやサバ、イワシ類、かにかご漁業によるベニズワイガニが水揚げ量の多くを占めています。
特に、ベニズワイガニが有名で日本一の水揚げ量を誇ります。
また、境港漁港は「近海に漁場がある」「大型の船が入港できる」「高速道路(米子道)が近い」などの理由から、クロマグロの水揚げが盛んであり、生本マグロ(クロマグロ)の水揚げ量が長年高い頻度で日本一を記録しているようです。
(参考:境港の現状、食のみやこ鳥取県 マグロ)
日本の漁港水揚げ高ランキングTOP5(2021年)
続いて水揚げ額ランキングについて説明していきます!
理由に関しては私自身の考えとなっていますので、その点ご理解ください。
1位 焼津漁港
1位は静岡県にある焼津漁港です。
水揚げ額は408億4772万1000円です。
水揚げ額に関しては焼津漁港は5年連続で日本一となっています。
水揚げ量ランキングにおいて焼津漁港は3位であり、冷凍のマグロやカツオが有名であると説明しました。
この2種類は1匹の単価が高いため、水揚げ額では1位になっていると考えられます。
(参考:焼津市 水揚統計、中日新聞 水揚げ金額、5年連続で日本一 焼津漁港)
2位 福岡漁港
2位は福岡県にある福岡漁港です。
水揚げ額は366億6320万1000円です。
冒頭で述べた、水揚げ量ランキングよりも水揚げ額ランキングの方が上位に入っているという例がこの福岡漁港です。
特に福岡市にある博多漁港は、「沿岸漁業の水揚漁港としての産地機能」と、「背後に福岡都市圏人口250万人の大消費地を抱えた消費地機能」を併せ持つ漁港となっています。
さらに、博多漁港には「福岡市中央卸売市場鮮魚市場」があり、ここに沖合漁業や沿岸漁漁の水揚げに加え、韓国や中国からの生鮮水産物、九州各地からの陸上搬入漁獲物が集積されているようです。
これらの機能により、より高く売れる大消費地近くの漁港に各地から高級な水産物が集められている結果として、水揚げ額が高くなっていると考えられます。
(参考:全国漁港漁場協会 特定第三漁港とは 福岡市(博多漁港))
3位 長崎空港
3位は長崎県にある長崎漁港です。
水揚げ額は283億5109万1000円です。
水揚げ量ランキングにおいて、長崎漁港にはアジ類やサバ類、クロマグロといった日本において有名どころの魚が多く水揚げされるとご紹介しました。
需要のある魚には当然値段が付きますよね!
したがって、高い水揚げ額を誇っていると考えられます。
4位 銚子漁港
4位は千葉県にある銚子漁港です。
水揚げ額は272億4078万2000円です。
水揚げ量は1位ですが、その多くがイワシであり単価が低いため、水揚げ額では4位に落ちる結果となっていると考えられます。
5位 三崎漁港
5位は神奈川県にある三崎漁港です。
水揚げ額は205億8987万4000円です。
三崎漁港は古くから沖合漁漁や遠洋漁業の拠点として発展し、漁船の近代化と大型化が進むにつれて特にマグロの水揚げ量が全国でもトップクラスとなった結果、マグロの街として栄え、有名になったようです。
このように単価の高いマグロの水揚げ量が多いため、水揚げ額が高くなっていると考えられます。
(参考:たびらい 日本有数マグロ水揚げ量!三崎港で美食三昧)
最後に
ここまでお読みいただきありがとうございました!
今回は水揚げ量および水揚げ額ランキング上位の漁港について、簡単にですが説明させていただきました。
ランキング上位にある漁港の特徴を見ていると、
「漁港近くの漁場が暖流と寒流のぶつかる潮目に位置する」
という共通した特徴があるということが分かります。
すぐ近くに潮目があるという恵まれた海洋環境のおかげで、日本の漁業が成り立っているといっても過言ではないかもしれませんね!
この「潮目」については、また機会があれば解説したいと考えています。
その際はぜひご覧になってください。
また、水揚げ額に関してはマグロが与える影響が大きいということが分かります。
今やマグロに代わってサーモンブームが来ていると言われていますが、日本の漁業でいえばまだまだマグロがトップを走っているようですね!
最後に、日本さかな検定では問題として聞かれるだけでなく、問題文中にヒントとしてこの水揚げ高ランキングが使用されることがあります。
実際に昨年の1級でも出題されていました。
受けられる方はきちんと確認しておくことをオススメします!
それではまた次回の記事でお会いしましょう!
お疲れ様でした~😄
2022.09.26 うぉーらる
当ブログにお越しいただきありがとうございます!
管理人のうぉーらるです。
突然ですが、皆さまは日本で1番の水揚げ高を誇る漁港といえば、どの県のどの漁港かご存知でしょうか?
実はこの質問には意地悪な点があります。
それは、漁港のランキングが「水揚げ量」と「水揚げ額」の2つの部門に分けて作成されているため、1位が2か所存在するという点です。
ここで、「水揚げ量が多ければその分水揚げ額も高くなるので、この2つのランキングの1位の漁港は同じになるのではないか」と考える方も居られると思います。
私も同じように考えていました。
このように書くということは、違うということなのですが笑
もちろん水揚げ量が多い漁港は水揚げ額でも上位に入ってはいます。
しかし、魚によって価格が異なるため、水揚げ量と水揚げ額が比例するとは限らず、実際に水揚げ量ランキングと比較して水揚げ高ランキングの方がかなり上位に入っているという漁港もあります。
今回は日本にある「水揚げ量」および「水揚げ額」が上位の漁港について説明していきたいと思います!
ランキングはこのニュースを参考にさせていただきます。
みなと新聞/銚子28万トン11年連続1位 21年全国主要港水揚高 金額は5年連続で焼津