【お知らせ】ブログの進め方

【魚トリビアの海4】 ボラ はなぜ飛び跳ねる??

【魚トリビアの海4】 ボラ はなぜ飛び跳ねる??
 

うぉーらる

当ブログにお越しいただきありがとうございます!
管理人のうぉーらるです。

今回は「魚トリビアの海」の第2回となります!

今回の内容は、私が釣りをしている時や船に乗っている時によく目にする「とある現象」についてです。

この現象について昔から疑問に思っており、調べてみると面白い事実が判明したので、私の考察も交えながらご紹介していきたいと思います!
 

今回はお久しぶりにゲストと一緒にお届けしようと思います!
それではどうぞ!

 

ボラ

みなさま、はじめまして!
ボラ」です。
今回はよろしくおねがいします!

 

うぉーらる

ボラさん、よろしくお願いします!

何故ぼらさんをお呼びしたかは後ほど説明するということで…

早速今回の内容に移りましょう!!

 

ボラ

はい!😄

 

 

今回注目する「とある現象」とは?

 

ボラ

「とある現象」について早くおしえてください!

 

うぉーらる

まぁそんなに慌てずに笑

まず初めに、
皆さまは、釣りをしている時や船に乗っている時など海を眺める機会があった際に、突然魚がピョン!と飛び跳ねる光景を目にするという経験をしたことがありますでしょうか?

子どもだけでなく大人もその光景を目にすると、「何かの魚が飛び跳ねた!」とワクワクしますよね😁

釣りをされる方からすると嫌な光景かもしれませんが…笑
このことは最後に詳しくご紹介します。
 

それでは、この飛び跳ねた魚の正体が何なのか、ボラさんは分かりますか?

 

ボラ

う~ん…

飛ぶ魚といえば…「トビウオ」ですか?
真っ先に頭にうかびました。

 

うぉーらる

そうですね。
飛び跳ねる魚と聞いて、一般的に思いつく魚は「トビウオ」だと私も思います。

名前にも「トビ(飛び)」と入っていますし、羽のような胸鰭を広げて海の上を飛ぶ映像を一度はご覧になったことがある方が多いのではないでしょうか。

この行動は主に捕食者から逃げるために行っていると考えられています。

しかし、先述したような状況でよく目にする飛び跳ねる魚はトビウオには見えないですよね😅
何か大きな魚が飛び跳ねて、そのままバシャーン!と海を叩きつけるようにして戻るイメージがあるのではないでしょうか?

 

ボラ

へ~、そういうイメージなのですね。

 

うぉーらる

これを踏まえて答え合わせに移ります。

この魚の正体について、断定はできませんがほとんどの場合は「ボラ」であると考えられます。

 

ボラ

へ~、ボラか~…って、え!私ですか!?😲

 

うぉーらる

はい、ボラさんあなたです笑

だから今回はあなたをゲストに呼びました👍

 

ボラ

な、なるほど…?🤔

詳しくおしえてください!!

 

ボラについて

 

うぉーらる

魚好きの方であれば「ボラ」を当然ご存じであると思いますし、ボラに関する情報が次々と頭に浮かんでいると思いますが(笑)、
あまり詳しくない方々向けに簡単に説明させていただきます!

 

ボラ」はボラ科の魚であり、オホーツク海を除く日本近海全域に生息しています。

ブリと同じように大きさによって名前が変わる出世魚であり、ここから「イナせ」や「トドのつまり」といった言葉が生まれたとされています。(カタカナがボラの出世名)

よく知られるのは、ボラの卵巣を塩漬けして干したものが日本三大珍味である「からすみ」として料理に利用されています。

キレイな海に生息するボラは美味しいようですが、工場が近くにあるなどして汚い海に生息するボラは臭く、釣り人から嫌われている印象が強い魚です。

詳しくはおなじみ“ぼうずコンニャク”さんのサイトをご参照ください!

 

ボラ

え、嫌われているのですか…😭

 

うぉーらる

あくまでも汚い海に生息している場合なのでお気になさらず😅
(フォローになっていますかね?笑)

 

ボラは成長すると50 cm以上のサイズになり、実際に釣ったことがある方には共感していただけると思うのですが、かなりの重量があります。
これほど大きな魚が飛び跳ねると、目を引き付けるような大きな音が出るのは想像しやすいかと思います。

これだけが理由でボラを選んだわけではなく、
そもそもよく飛び跳ねる魚はボラであるということが世間一般(釣り界隈だけかもしれません笑)で知られている
また、実際にボラが飛び跳ねる光景を映した写真が多くネットに投稿されている
さらには、私もその光景をよく見にしており、飛び跳ねた魚のほとんどがボラであったという経験がある
これらの根拠から私は飛び跳ねる魚の正体はその大半が「ボラ」であると考えています。
 

ボラが飛び跳ねる理由とは?

 

うぉーらる

それでは、「ボラ」は一体なぜ飛び跳ねるのでしょうか?

今から理由を考えていきましょう!というのが普通の流れなのですが、
なんと今回はボラさんに直接理由を聞くことができます👏

それでは!ボラさん、答えを教えてください!!

 

ボラ

……

 

うぉーらる

ん?どうされたのですか?

 

ボラ

その…自分がなぜ飛び跳ねるのか説明できないんですよね…

思い立ったら飛び跳ねているといますか…笑

 

うぉーらる

そ、そうですよね😅
おそらく本能的に飛び跳ねているのに、その理由なんて分からないですよね笑

失礼しました🙇
それでは、ボラが飛び跳ねる理由としてヒトが考えていることをご紹介しています!

 

色々と調べてみると、Australian Museumの「Why do mullet leap?(なぜボラは跳ねるのか?」という記事に有力な理由が記述されていました。
原文を読みたいという方はこちらからご覧ください。

この記事によると、ボラが飛び跳ねる理由として、「捕食者から逃げるため」と「空気呼吸をするため」の2つの理由が挙げられています。
 

うぉーらる

それでは次に、その2つの理由について詳しく見ていきたいと思います!

 

捕食者から逃げるため…?

 

うぉーらる

まずは前者の「捕食者から逃げるため」についてです。

 

確かに飛び跳ねることで、水中にいる捕食者の視界から外れて逃れることができそうです。

しかし、先ほどご紹介した記事ではこの理由に否定的な考えが述べられています。
具体的には、「捕食者から逃げるために飛び跳ねるのならば、多数のボラが一斉に飛び跳ねるはずであり、また、体を垂直にしてキレイに着水するはずである」と述べられています。
(前者については捕食者に追われるのはボラ1匹だけではないため、後者については捕食者に着水点を気づかれないようにするため、であると私は考えています。)

確かに、ボラが複数同時に飛び跳ねる姿を私は見たことがなく、また、着水時はバシャーン!と音が立つことからキレイな着水とは言えないです。

また、私も同様に否定的な考えでいます。
その理由としては、ボラが飛び跳ねるといってもトビウオのように滑空して遠くに移動するわけではないので、一時的には空中に逃げることができていても、結局は真下に捕食者がいるため逃げられてはいないのではないか、と考えているからです。

これらの考えから、やはり「捕食者から逃げるため」という理由は違うような気がします。
 

空気呼吸をするため…?

 

うぉーらる

続いて後者の「空気呼吸をするため」についてです。

 

これを聞いてピンときた方は居られたでしょうか?
私はボラが空気呼吸をすることができるということすら知らなかったです。

調べてみると、ボラの喉の奥の部分に「pharyngobranchial organ(日本語に訳すと咽頭鰓蓋器)」という器官が存在し、そこに空気をため込むことができるようです。

この器官とボラの飛び跳ね行動の関係性について、ボラの飛び跳ね行動に着目したHoese(1985)の論文では、「ボラは咽頭鰓蓋器に空気を貯めるために、あえてゆっくりと飛び跳ね、さらには体を横向けて・仰向けて着水する」と結論付けられています。
 

ボラ

そんな器官が私にそなわっているのですね!?
知らなかった…

 

うぉーらる

ここまででボラが飛び跳ねることで空気呼吸をすることができるということは分かっていただけたかと思います。

それでは、なぜボラはわざわざ空気呼吸をする必要があるのでしょうか?
この答えのヒントはボラの食性にあります。

 

ボラ

私の食性ですか??

 

うぉーらる

詳しく見ていきましょう!

 

ボラは海・川底の泥や砂に付着する藻類やデトリタス(生物の死骸や排泄物などが分解されて微粒子状になった有機物のこと)などを主食としています。

そして、この底質環境は酸素濃度が低いことが知られています。

これで答えを導き出せたでしょうか?
そうです。空気呼吸で体内の酸素濃度を高めることで、この底質環境でも長時間活動できるようになり、結果としてエサをより多く食べることができます。

実際にボラはこの空気呼吸によって低酸素環境でも5分ほど活動することができるようです。

Australian Museumの記事によると、この考えをサポートする実験結果がいくつかあるようで、
・水中酸素濃度とボラの飛び跳ね行動には正の相関関係がある。
・ボラは昼にエサを食べるという習性があるため、昼の方が飛び跳ね行動の回数が多く、夜はめったに飛び跳ね行動をしない。

といった証拠が挙げられています。
 

うぉーらる

ここまで証拠が出揃うと、ボラが飛び跳ねる1番の理由は「空気呼吸をするため」であるという結論が正しいと断言しても良いと思います。

皆さまも納得していただけましたでしょうか?

 

ボラ

私は納得しました!👍

 

ビックリしたため…?

 

うぉーらる

最後に、もう1つ私が考えたボラが飛び跳ねる理由をご紹介させていただきます。

これに関しては何の証拠もありませんので、筆者が妄想を語っていると思っていただいて結構です笑

その理由とは「ビックリしたから」です!

え?と思いましたか?
私はいたってまじめです👍

私がこのように考える根拠をご説明します。

 

まず初めに、皆さまは魚の体側に「側線」と呼ばれる感覚器官があることをご存じですか?

この器官は水の流れや水中の音の振動を感受するための器官であり、多くの魚はこの写真で赤印で指し示されているような、鰓蓋の上方から尾びれに向けて1本の側線が体側中央部を走る形を取ります。
 

しかし、ボラにはこの写真のようにはっきりとした側線は見られません。

 

それでは側線器官がないのかというとそういうわけではなく、ボラにもれっきとした側線器官が存在します。

それはボラの鱗の中に存在する感丘という器官です。
ボラの鱗1枚1枚には1個の孔が開いており、その中に感覚受容器である感丘があります。

ボラの鱗は多い部位では10数列に並んでいることを踏まえると、ボラは目に見える側線はなくとも10列以上の側線を備えていると言えます。

したがって、側線を1列しか持たない多くの魚と比較すると、ボラは「かなり敏感な魚である」と考えられます。

ボラ

私の体って実はすごい…!?

 

うぉーらる

素晴らしい能力だと思います👏

 

ここまでご説明すると、私の考えになるほど!と共感していただけた方が居られるのではないでしょうか?

ボラは他の魚よりも敏感な魚であるために、海岸付近で鳴った音や船の音の振動に過剰に反応し、「ビックリして」飛び跳ねる。
これが私の考えです!

この推論に基づくと、釣りをしている時や船に乗っている時にボラが飛び跳ねるのをよくられるのも説明がつきます。

ただし、「音の振動は広範囲に及ぶので、同時に複数匹のボラが反応して飛び跳ねるはずである」という意見言われると現段階では何も言い返せないので(笑)、そういえばボラが飛び跳ねる理由の1つとしてこのような理由があるかもしれないと、とあるブログの筆者が考えていたな~とだけ認識していただければと思います笑
 

うぉーらる

それで…ボラさんはビックリして飛び跳ねたことありますか?

 

ボラ

ある…という気もするのですが…
よく飛び跳ねるので、その理由まではおぼえていないです…笑

 

うぉーらる

ですよね笑
私の説、立証ならず😅

 

ボラ

ごめんなさい🙇

 

うぉーらる

いやいや、お気になさらず!

 

最後に

 

うぉーらる

ここまでお読みいただきありがとうございました!

今回の内容を簡単にまとめると、
ボラが飛び跳ねる理由として「空気呼吸をするため」が1番有力であり、これによって低酸素環境でも活動してエサを食べることができる。
この理由の他には「捕食者から逃げるため」や(「ビックリしたため」)といったものが考えられるが、批判点がある。
となります。

 

ボラ

なるほど!

そういえば冒頭で「ボラが飛び跳ねる光景が釣り人にとっては嫌な光景である」と仰っていましたが、何か関係しているのですか?

 

うぉーらる

いい質問です!

釣り人にとってボラが飛び跳ねる光景が嫌な光景である理由は、魚が釣れなくなるからだと言われています。
そうなる理由についてはっきりと断言はできませんが、今回の内容を踏まえて考えると、
ボラが飛び跳ねる=水中酸素濃度が低下している、つまり魚の活性が低下しているからではないかと考察することができます。
 

このようにある事象に対する考察からまた別の事象についての新たな考察を導くことができるのが研究の面白いところであると私は考えています。

この釣りの内容も書き初めの段階では想定していなかったので、今回このブログを書いたおかげで新たな考察を自分の中で生み出すことができたという貴重な経験をすることができました😁

皆さまも何か気になっていることがあれば1度調べてみて、自分なりの考察を考えてみると、思わぬ新たな発見があるかもしれませんよ!

 

ボラ

ヒトがする「研究」とは非常に興味深いですね!

私もヒトの研究をしてみようかな。

 

うぉーらる

サカナ目線のヒトの研究、何だか凄いことになりそうです笑

 

ボラ

本日は教えていただきありがとうございました!

まさか私自身について色々と学ぶことができると思っていなかったので、それも含めて勉強になりました!

またお誘いください!!

 

うぉーらる

こちらこそ最後までお付き合いいただきありがとうございました!

ぜひまた遊びに来てくださいね😊

 

ボラ

はい!

それではさようなら~!

 

うぉーらる

仲間のもとに帰っていきましたね。
 

さて、
最後になりますが、今回の内容は信頼できるサイト・書籍に基づいて執筆しましたが、私自身が専門家ではないため、不十分な部分や誤った内容を記載している部分があるかもしれません。
その点ご理解ください。
ご指摘がありましたら、連絡先を添付していますので教えていただけると幸いです。
私の勉強にもなりますので宜しくお願い致します。
 

それではまた次回のブログでお会いしましょう!
お疲れさまでした~😄

 

参考文献

 

2022.08.10 うぉーらる