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【1位は意外な水産物!?】日本の 水産物輸出 の現状とは?

日本の 水産物輸出 の現状とは?

 

うぉーらる

当ブログにお越しいただきありがとうございます!
管理人のうぉーらるです。
 

早速ですが!
今回のゲストをお呼びしましょう!
それではどうぞ!!

 

クロマグロ

皆さま、初めまして!
クロマグロと申します!
本マグロと呼ばれることも多いですね。

今回はよろしくお願いします!!

 

うぉーらる

クロマグロさん、よろしくお願いします😄

来ていただいてすぐに申し訳ないのですが、問題を出してもいいですか?笑

 

クロマグロ

どんと来いです!👍

 

うぉーらる

クロマグロさんは日本が輸出しているさかなの中で1番輸出額が多いのは何かご存じですか?

 

クロマグロ

う~ん…

自分で言うのも恥ずかしいですが…

…皆さま日本人が大好きな「マグロ」ですかね??

 

うぉーらる

なるほど!
私も、世界的に有名な日本食であるお寿司の定番である「マグロ」がまず思い浮かびました。

このほかには、
正月など日本の文化において重要な魚である「マダイ」や日本の朝ごはんの定番である「サケ」、日本食で使われる出汁を取るのに重要である「カツオ(かつお節)」「コンブ」が思い浮かびました。

この中に答えはあるのかというと…

 

クロマグロ

流石にその中にあると思いますが🤔

 

うぉーらる

答えはNOです✖
日本が一番多く輸出している水産物は私にとっては意外なものでした。

 

クロマグロ

違うのですか…!?

早く答えを教えてください!!

 

うぉーらる

まぁ落ち着いてください😅

答えは後ほど!ということで(笑)、
今回はさかなの輸出について説明していきたいと思います。

輸入についてはこのブログで説明していますので、気になる方はぜひご覧ください。


それでは本編に参ります!

 

 

日本のさかな輸出の現状は?

 

うぉーらる

まずは日本のさかな輸出の現状についてご説明します。

 

クロマグロ

よろしくお願いします!

 

“水産庁 水産物貿易の動向”によると、2019年の輸出総額は2873億円でした。

次のグラフをご覧ください。

水産庁 水産物貿易の動向に添付されたデータをもとに筆者が作成

このグラフは、日本がさかなを多く輸出している(輸出額が高い)国・地域を示しています。

2019年においては、1位:香港、2位:中国、3位:米国(アメリカ)、4位:タイ、5位:台湾 でした。
 

うぉーらる

1位は香港ということなのですが、いまいちピンときていない方が多いのではないでしょうか?

 

クロマグロ

そうですね。
その理由も教えていただけるのですか?

 

うぉーらる

はい!
この理由は次のチャプターで明らかにしたいと思います。

 

続いてこちらのグラフをご覧ください。

水産庁 水産物貿易の動向に添付されたデータをもとに筆者が作成

このグラフは日本が多く輸出している(輸出額が高い)さかなの種類を示しています。

2019年においては、1位:ホタテガイ、2位:真珠、3位:ブリ、4位:ナマコ調製品、5位:サバ類 でした。
 

うぉーらる

なんと1位はホタテガイです。
これが冒頭の問題の答えです!
皆さまは思い浮かべることができていましたか?

 

クロマグロ

予想外でした…😓

 

うぉーらる

正直私も予想外でした😅

そのほか、2位の真珠や4位のナマコ調製品も意外に思われた方が多いのではないでしょうか?

このような現状となっている理由について、
次のチャプターで輸出の多いさかなと国・地域との関係性を踏まえながら説明していきたいと思います。

 

輸出上位のさかなはどこの国・地域へ輸出している?

 

うぉーらる

それでは前チャプターでお見せした輸出品目のグラフに記載されているさかなについて詳しく見ていきたいと思います。

 

1位 ホタテガイ

1位はホタテガイです。

スーパーでは殻付きをほとんど見ることがなく、貝柱に加工された製品をよく見ると思います。

外国において、他の国で生産されたホタテガイよりも、日本のホタテガイは味や大きさ、品質において高い評価を受けているようです。

特にアメリカで大量に消費されており、これらのことが輸出額1位に繋がっていると考えられます。
(参考:JETRO 農林水産物 ホタテ

では、次のグラフをご覧ください。

水産庁 水産物貿易の動向に添付されたデータをもとに筆者が作成

このグラフを見ると、ホタテガイの輸出相手国1位は全体の6割を占める中国であることが分かります。

この理由としては、
中国の殻付きの状態でホタテガイを輸出し、そこで殻を剥いて貝柱に加工した後に、アメリカやEUなどの消費国に再輸出するという方法が取られている、という現状が挙げられます。

内容だけ見ると2度手間で、なぜそのような面倒くさい方法をとっているのかと疑問に思うかもしれません。
おそらく、「人手が多く労働賃金が安い中国で殻剥き作業を大規模に行った方が結果として安くつく」「他国に輸出する際に中国を起点とした方が融通が利く」などといった利点からこのような輸出方法が取られているのだと私は考えています。
 

クロマグロ

ホタテガイってそれほど人気なのですね!
1位である理由も納得です。

 

うぉーらる

ホタテガイが食べたくなってきました笑

 

クロマグロ

いいですね。
どんな味なのか気になります!

 

うぉーらる

マグロってホタテ食べれるのかな…😅

 

2位 真珠

2位は真珠です。

真珠の養殖は日本が発祥の地であり、九州の対馬、三重の英虞湾、四国の宇和島が三大養殖地として有名です。
養殖された真珠はこの3か所から程よい位置にある神戸に集められて選別・加工を受け、神戸港から外国へ輸出されます。

神戸が真珠の街と言われている理由には、場所の利点のほか、六甲山に反射して北窓から入ってくるやわらかな光が、真珠の色や形、傷の有無を見る作業に適していたことなどがあるようです。

このように日本で加工された真珠は世界から高い評価を得ており、多角で取引されています。

では、次のグラフをご覧ください。

水産庁 水産物貿易の動向に添付されたデータをもとに筆者が作成

このグラフを見ると、真珠の輸出相手国1位は全体の9割弱を占める香港であることが分かります。

この理由としては、
香港で1年に4回開催されるジュエリーショーに向けて多くの真珠を香港に輸出していることが挙げられます。

このジュエリーショーには世界各国の真珠バイヤーが買い付けに集まります。先ほども説明したように、日本の技術力を用いて生産・加工された真珠は世界的にも評価が高いことから、かなり人気があるようで、日本のパールパビリオンは世界一人気の高いパビリオンと言われているようです。

台湾に輸出された真珠はネックレスなどに加工された後、主に中国に再輸出されます。
これは、中国本土と香港の自由貿易協定によって、香港から中国へ輸出する際にかかる関税の優遇を受けることができるようになったことが背景にあるようです。

(参考:農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略~マーケットイン輸出への転換のために~神戸税関 真珠の輸出について
 

クロマグロ

水産物と聞くと魚や貝といった食べられるものを想像していましたが、アクセサリーである真珠も含まれるのですね!

 

うぉーらる

真珠は主にアコヤガイという貝を使用して生産されるので、水産物に含まれるのだと思います。

それでもパッと言われると水産物とは想像できないですが…笑

 

3位 ブリ

3位はブリです。

ブリは皆さんご存じ出世魚であり、「天然」のブリにはサイズによって各地方でそれぞれの呼び方があります。
一方で「養殖」のブリはどのサイズであっても「ハマチ」と呼ばれることが多いようです。(天然ものではハマチは主に関西の呼び方で、40センチのブリのことをいいます。)

2019年の日本のブリの生産量を見ると、養殖(13万5600トン)が天然(10万9000トン)ものの生産量を上回っています。

天然は一番脂ののった旬の冬に漁獲されたものに限定される一方で、養殖は技術の発展によって年中脂ののったブリを提供できるようになっていることを踏まえると、養殖の生産量が天然を超えたことは納得のいく結果だと思います。

年中美味しいブリを生産できるようになったことがブリの輸出増加を促進させたようです。

では、次のグラフをご覧ください。

水産庁 水産物貿易の動向に添付されたデータをもとに筆者が作成

このグラフを見ると、ブリの輸出相手国1位は全体の約7割を占める米国(アメリカ)であることが分かります。

アメリカにこれほどブリが輸出されている理由としては、アメリカでのsushiブームが背景にあります。
アメリカではブリではなくハマチの名前で浸透しており、人気すしネタの1つになっているそうです。

また、今回のグラフではその他に分類されていますが、中国や香港、タイ、ベトナムなど日本人が多く移住している国へのブリの輸出も年々増加しているようです。

日本食が世界中に広がっていることを考えると、ブリの輸出はさらに増加しそうです。

(参考:JETRO 品目別レポート ぶり類
 

クロマグロ

ブリが日本を代表する魚ということですか!

 

うぉーらる

輸出データで見るとそう言えますね!

アメリカの人は寿司の中でもブリが一番好きなのでしょうか?🤔
気になるところです。

 

4位 ナマコ調製品

4位はナマコ調製品です。

皆さまはナマコを食べたことがありますか?
私は少し抵抗があってまだ食べられていないのですが、一度は食べておいた方がいいですかね…?笑

調べてみると、日本人とナマコとの関係は深く、奈良時代にはすでにナマコが食べられており、平城京への献上品として扱われていたようです。

また、輸出に関しては、江戸時代ころから中国に向けて行われており、その当時は冷凍技術などがなかったため、乾燥したナマコ(煎海鼠:いりこ)を輸出していたようです。

(参考:能登なまこ なまこの歴史

では、次のグラフをご覧ください。

水産庁 水産物貿易の動向に添付されたデータをもとに筆者が作成

このグラフを見ると、ナマコ調製品の輸出相手国1位は全体の9割を占める香港であることが分かります。

この理由に関しては、分かりやすい説明文があったので引用させていただきます。

乾燥なまこがまず香港に向かう理由は、中国南部の広東料理で多く利用されてきたこと、香港が自由貿易港で関税がかからないことなどいくつかあります。しかし大事なことは、香港には古くから乾燥なまこや干しあわび、フカヒレといった俵物の類(たぐい) を扱う商人が集まっており、中国や世界に向けて流通させるうえで代金決済など取引を円滑におこなうための役割を担っているということです。

ナマコの香港・広州見聞録 なまこの道は香港から世界に通ず

香港はナマコ産業の中心地としての機能を担っているようです。

これで前チャプターで述べた日本の水産物輸出相手国1位が香港である理由が判明しましたね。
真珠とナマコ調製品のグラフを見ると明らかかと思います。
 

クロマグロ

日本ではあまりナマコ料理は見かけませんが、中国だと一般的な料理なのですか?

 

うぉーらる

誰もが知っているという意味では一般的な料理だと思います。

しかし、ナマコはフカヒレと同じ高級中華料理の食材として扱われているようなので、誰でも食べることができるというわけではなさそうです。

 

クロマグロ

勉強になります!

 

5位 サバ類

5位はサバ類です。

日本の統計ではサバ類とは「マサバ」と「ゴマサバ」の2種が含まれます。

統計上では同じくくりにされていますが、この2種類には「脂ののり具合が違う」という食品としては重要な違いがあります。

同時期に漁獲された2種類のサバの粗脂肪量を比較すると、ゴマサバよりもマサバの方が脂がのっているようです。
よって、脂志向の日本人にとってはマサバの方が好まれると考えられ、実際に味の評価はマサバの方が高いようです。

日本でよく見かけるサバにもう1種類「タイセイヨウサバ」いう外国から輸入しているサバがいます。
このサバはなんとマサバよりも脂が多く、つまり日本人に好まれ、その結果として日本のスーパーに定着しつつあるようです。

(参考:サバペディア サバの種類

では、次のグラフをご覧ください。

水産庁 水産物貿易の動向に添付されたデータをもとに筆者が作成

このグラフを見ると、サバ類の輸出相手国1位はナイジェリアであることが分かります。

え、ナイジェリア!?となられた方が多いと思います。

グラフをよく見てみると、ナイジェリアの他にも、エジプトやガーナといったアフリカの国が多いことに気づきましたか?

アフリカの国はまだまだ発展途上であり、食料の安定供給が不十分であることを踏まえると、勘の良い方は理由が想像つくかもしれません。

日本はアフリカの食糧不足の対策として、国内で漁獲されたサバのうち、商品価値の低い小型のサバをアフリカに輸出しています。
このサバは日本では価値が低いかもしれませんが、一方でアフリカでは貴重なたんぱく源として扱われるため、価値の低かったものに価値が見出される素晴らしい交易となっています。

しかし、最近では日本のサバ缶ブームによってサバの需要が急増し、アフリカ向けのサバの輸出が減少しているという現状にあるようです。

(参考:ととけん副読本 2021年版)
 

クロマグロ

私も含め日本で生産された魚が世界を飢餓から救う、いつかそのような未来が訪れるといいですね!

 

うぉーらる

素晴らしいコメント👏

お互い貢献できるように頑張りましょう!😄

 

6位 カツオ・マグロ類

6位はカツオ・マグロ類です。

日本の水産物輸入品目の上位に入っていましたが、一方で輸出も盛んに行われているようです。

輸入しているのに輸出もしている?と疑問に思われた方もいるのではないでしょうか?

これはマグロとカツオが同じくくりで扱われている点に答えがあります。

どうやら輸入しているのが主にマグロで、輸出しているのが主にカツオであるようです。
ややこしいですね笑

では、次のグラフをご覧ください。

水産庁 水産物貿易の動向に添付されたデータをもとに筆者が作成

このグラフを見ると、カツオ・マグロ類の輸出相手国1位はタイであることが分かります。

タイは缶詰産業が盛んで、特にカツオやマグロを用いたツナ缶を多く製造しています。
いまや、タイは世界で最もカツオが集まる国であり、カツオの価格もタイで決まると言われているようです。

タイにおける缶詰製造に使用されるカツオやマグロは輸入に依存しており、特にカツオについては日本も多く輸出しているため、輸出1位という結果になっていると考えられます。

(参考:株式会社かつお技術研究所 副生物の利用が日本の食卓を守る!
 

クロマグロ

ここでようやくマグロが来たか!と思いましたが、輸出に関してはカツオさんの方が重要なのですね😅

 

うぉーらる

そうですね。
マグロは国内の消費量が多すぎるため、輸出に回す分が無いのだと思います。

 

クロマグロ

日本人は私が大好きですね😘

 

うぉーらる

自分はまぁ普通かなぐらいですけどね…!
(中トロが大好きです笑)

 

最後に

 

うぉーらる

ここまでお読みいただきありがとうございました!

日本のさかな輸出事情についてご理解いただけましたでしょうか?

 

クロマグロ

非常に分かりやすかったです!

今回出てきた6種類の水産物は「日本の顔」となる水産物であると考えてもよさそうですね!😄

 

うぉーらる

いい表現ですね😊
私もそう考えています。

これまで見てきた輸出上位の水産物、特にホタテガイや真珠の現状を見ると、日本で生産される水産物は高品質であり、世界中で高い評価を受けているということは明らかです。

今回挙げた水産物以外にも、まだまだ世界には知られていない日本ブランドの水産物はたくさんあると思います。

これらを世界中に発信し、いかに多くの人にそのものの良さを知ってもらうことができるかが、今後の日本の水産業発展に重要であると私は考えています。

今のSNS時代において、もしかすると、私たちの「このさかな美味しかった!」という何気ない投稿が、そのさかなが世界中に知られるきっかけとなるかもしれません。

このブログがいつかそのようなきっかけを生み出せるよう、頑張っていきたいと思います!

 

クロマグロ

その目標に向けてぜひ頑張ってください!
海の中から応援しています!!

 

うぉーらる

クロマグロさん、ありがとうございます😊

寂しいですが、そろそろ終わりの時間ですね。
今回はご参加いただきありがとうございました!

またの参加をお待ちしています!

 

クロマグロ

こちらこそありがとうございました!

次回も楽しみにしていますね👍

 

うぉーらる

はい!
 

それでは皆さま、また次回のブログでお会いしましょう!

お疲れさまでした~😄

 

2022.06.01 うぉーらる